小児矯正治療

お子様の成長過程や生活習慣に合わせ、T4Kやムーシールド、スペースメインテナーなどを使って矯正を進めます。
保護者様とこまめに情報共有しながら、口腔機能や歯並びの改善を一緒に目指しましょう。

子どもの歯並びは、単に見た目だけでなく、発音や呼吸、食べ方など多方面に影響すると考えています。
成長期にある子どもは、あごの骨や歯の配置がまだ変化しやすく、早めにアプローチすることで、本格的な矯正を始める前に歯並びを整えやすくなるかもしれません。
指しゃぶりや口呼吸、舌を突き出す癖などが長く続くと、前歯が開いてしまう、あごの発育に影響が出るといったリスクもあるため、習慣や癖に配慮しながら治療を進めることが大切だと考えています。

口腔習癖と歯並びの関係

指しゃぶりや口ポカン

指しゃぶりは赤ちゃんの頃によく見られますが、年齢が上がっても続くと前歯が前方に出たり、開咬(上下の前歯がかみ合わない)を引き起こす場合があります。
また、常に口を開けたままの「ポカン口」は、口呼吸につながりやすく、歯や歯ぐきが乾燥しやすい、むし歯や歯周病のリスクが高まるなどの懸念があります。
こうした習慣や癖を改善しないまま歯並びの治療をしても、再び悪い方向に戻ってしまう可能性があると感じます。
そのため、当院ではまずは子ども自身の習慣を聞き取り、必要に応じて矯正装置とともに生活面へのアドバイスも行うようにしています。

小児矯正に使われる装置

ムーシールド

ムーシールド|うつのみや歯科

乳歯と永久歯が混在する時期や、咬み合わせのずれが気になる場合に用いることがあります。
正しいかみ合わせを誘導する目的で装着する装置です。
プレオルソと同様に、決まった時間だけ口に入れて使うことが多いので、子どもが嫌がらずに続けやすいかどうかを見ながら進めていきます。

T4K(Trainer System)

T4K(Trainer System)|うつのみや歯科

T4Kは歯並びだけでなく、口呼吸や舌を押し出す癖など、口の周りの筋肉バランスを整えるのを目指す方法です。
6歳〜12歳の交換期と呼ばれる時期に装着することで、歯の位置を正しい方向へ誘導しつつ、口や舌の動き、正しい呼吸習慣を身につけます。
学校にいる間は使わず、帰宅後から就寝時にかけて1〜2時間程度の装着と、夜の就寝時にはそのまま口に入れた状態で寝るのが一般的な進め方です。
子どもが無理なく続けられる環境づくりが大切になるため、家族と相談しながら計画を立てるとスムーズだと思います。

子どもに合った治療時期

歯並びの問題は、乳歯の段階から気づくこともあれば、永久歯に生え変わる頃に明らかになることもあります。
少しでも「かみ合わせが気になる」「口が開きっぱなし」「指しゃぶりが長引いている」などがあれば、早めにご相談いただくと、対策しやすいです。
タイミングを見計らって装置を使用することで、大掛かりな矯正を回避できる可能性もあります

習慣の改善がカギ

子どもの歯並びは、装置をつけただけで急に変わるわけではなく、生活習慣や家でのサポートが影響します。
口呼吸や指しゃぶりが長い間続いている場合、歯並びが乱れてしまう大きな原因になるので、少しずつその癖をなくす練習を取り入れます。
たとえば、鼻呼吸を促すために仰向けに寝る姿勢を意識する、指を口に入れそうになったら何か他の行動をするなど、小さな工夫を積み重ねると結果が出やすいです。

結果が出るまでの過程

小児矯正は、成長期の力を利用して歯並びを整えることが多いため、大きな変化が出るまでに時間がかかる場合があります。
しかし、あごの骨がやわらかいうちに適切な装置を使っていれば、成長に合わせて歯が正しい位置に移動しやすくなると感じています。
費用や期間についてはそれぞれ異なるため、検査を行ったうえで大まかな見通しを立て、必要なステップを説明します。

親子で取り組む矯正治療

親御さんの協力があると、子どもは心強いかもしれません。
「今日はしっかり装置を入れられたね」「きれいに磨けたね」など、身近な声かけが子どものモチベーションにつながると感じています。
お子さん自身が少しずつ歯並びの変化や噛みやすさを実感すると、「続けたらもっと良くなるかも」と前向きに取り組んでくれます。

大人の矯正とは違い、小児矯正は「いつ始めるか」「どう進めるか」がお子さんごとに大きく異なります。
指しゃぶりやお口ポカン、歯が重なって生えているなどの悩みがあれば、まずはご相談ください。